第2ステージ:1級山岳登場の「熊本阿蘇ステージ」

熊本県南小国町の瀬の本レストハウスをスタートし、北東から阿蘇のカルデラ盆地に入る。昨年とはコースが少し異なり、1級山岳ポイント(箱石峠)を越えると、根子岳東麓の周回コースを約3周。その後は阿蘇山南側の盆地に下って、南阿蘇村役場のゴールを目指す。
途中の小周回では阿蘇望橋(あそぼうばし)という屋根付きの橋を通過する。橋は鋼材を一部に使った木造ラチストラス橋という構造をしており、阿蘇地域の景観に融合しつつ、林業の振興にも期待を寄せる象徴的な橋となっている。ちなみに、この橋が渡るのが遊雀川で、周回コースの北側にある遊雀(ゆうじゃく)地区には遊雀天満宮や遊雀太師堂がある。スズメがいるかどうかは分からないが、世の中にもし「ちゅん活ロードバイカー」がいたら、ひとまとめで行ってみたい場所かもしれない。
レースは最初にある一の宮のスプリントポイントを過ぎ、JR豊肥本線を越えると登坂区間が始まる。箱石峠では決定的な動きはないとはいえ、レーススピードを上げてライバルの足を削ろうとするチームは出てくるだろう。その後の小周回で集団は細かく分裂する。
昨年の熊本阿蘇ステージは厳しい登坂区間がある周回が最終盤に組み込まれ、登坂力の違いが結果に直結した。ただ今年は最後の28キロに上り坂はなく、後方に取り残された集団が前方へ復帰できる可能性はある。もっとも下り基調かつ右左折を含むテクニカルなレイアウトのため、やはり集団前方で小周回をこなすほうが圧倒的に有利。アシストがどれだけエースの力を残してレース中盤まで展開できるか、チーム力が問われるステージになる。